環境整備

業績悪化を経て、加工から製造へと業務内容をシフト

 株式会社世起の代名詞でもある「黒ごまきな紛げんこつ飴」。2001年に販売が開始され、全国菓子博覧会で金賞を連続受賞。折しもの健康ブームにも乗って、その名声を一躍高めた「世起」だが、ここに至るまでには紆余曲折があった。
 1970年に創業した世起は、当初、お菓子とおもちゃを仕入れ組み合わせる加工業や、お菓子の販売代理店を生業としていた。バブル期には時代背景に後押しされ工場を拡張、2交代制でも生産が追い付かないほどだった。しかしバブル崩壊を受け業績が不安定になり、リストラも経験。社員数は約6割に激減。これまでの経営方針を見つめ直さざるを得なくなった。
 世起では、これまでの加工業からお菓子自体の商品開発・製造に注力。こうした背水の陣で販売したのが「黒ごまきな紛げんこつ飴」だった。次なるヒットのために―。若い柔軟な発想が必要であると考え、世起では2006年に新卒採用に踏み切った。

新卒採用を実施するも失敗。他社事例を取り入れ受け入れ体制整備。

 しかし、当初の狙いは思い通りに進まなかった。3年連続で新卒を入れたが、受け入れ体制が整わず、あえなくストップ。苦渋の決断だった。
 今村社長は内部改革に取り組んだ。3年かけて経営理念と経営計画を立案した。経営理念を立案する際、今村社長が大切にしたことがある。それは、社員一人ひとりが仕事の意義と目的を明確にできること。そして、会社から社員への一方的な押し付けにならないこと。経営理念を発表した際には「この経営理念が世起に合わないと思った際は、意見を言って欲しい」と伝えた。
 社風を醸成するために他社の良い事例も積極的に取り入れた。愛媛県中小企業家同友会の勉強会に社員とともに積極的に参加。鍵山秀三郎氏「掃除に学ぶ会」に 習った環境整備(掃除)活動や、社員間のコミュニケーションを高めるための「ハイタッチ挨拶」も、この勉強会から学んだ。

 

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▲現在でも定期的に一日かけて周辺の清掃活動を行っている。

新卒採用を再開。裁量権を与え、経験のなかで育成。

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 そして、3年間ストップしていた新卒採用を再開する。内部の受け入れ体制が整い、会社の持続的な発展を考えての決断だ。当初の狙い通り、新卒者は開発部 門に配属。ブラザーシスター制度を導入し、前年に入社した先輩が後輩の面倒を見る。この間、後輩は日報を書き先輩に報告。そのなかで後輩はもちろん、先輩の方にも責任感が育まれる。
 今村社長の育成方針は「まず、やらせること」。裁量権を与えて経験を積み、そのなかでノウハウを身に付けさせる。新卒を採用することで、そのサイクルが上手く回るようになった。

離職率ほぼゼロ。開発スピードがアップ。

 「もともとアットホームな職場の雰囲気には誇りを持っていました。昔から社長も役員も分け隔てなく全員が”さん”づけで呼んでいます」とその社風の良さを自負する今村社長。その証か、同社には20年戦士のパート社員が4人もいる。さらに、経営理念の立案をはじめとした内部改革によって「美味しいお菓子を提供する」という仕事の目的が明確化、社員のモチベーションも向上し、離職率はほぼゼロが続く。何よりも新卒者が開発チームに入ったことで、開発のスピードがあがり、市場への商品投入数も多くなった。
 「常に社員が得するように考えている」と今村社長。若い開発チームを中心に、「黒ごまきな紛げんこつ飴」に続くどんなヒット商品が生まれるか楽しみだ。

社内での活動

 社内施設の整備・保全も行い、経年劣化した床を張り替えるなどを社員一丸となって行っている。

 

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